収納のカタチを見直す-「WIC」「シューズイン」「ファミクロ」のすすめ-

戸建て住宅を計画する際、多くの方が重視するのが「収納」です。

家族構成やライフスタイルによって、必要な収納の形は異なりますが、近年注目されているのが「WIC(ウォークインクローゼット)」「SIC(シューズインクローゼット)」「ファミリークローゼット(ファミクロ)」の3つ。これらは単なる“物置き”ではなく、暮らしの快適さを大きく左右する“生活動線を支える機能空間”としての役割を担っています。

今回のコラムではこの収納の魅力などを解説♪

それでは行ってみましょう!

ウォークインクローゼット(WIC)―“収納する”を“選ぶ・着る”に変える空間

ウォークインクローゼットは、文字通り「中に歩いて入れる収納」です。

寝室の隣や一角に設けることが多く、衣類やバッグ、アクセサリーなどを一括管理できるのが魅力です。

WICの良さは、単に収納力が高いというだけでなく、“コーディネートを楽しめる”点にあります。ハンガーパイプを活用してアイテムを一覧できるようにすれば、朝の身支度がスムーズに。姿見を置けば、その場で服を選び、そのまま着替え、出かける準備が完結します。

また、季節ごとの衣替えもWIC内で完結できるため、衣類の出し入れによる家中の移動がなくなるのもポイントです。限られた面積でも、棚や引き出し、照明などを工夫することで、使いやすさが格段にアップします。

シューズインクローゼット(SIC)―玄関に“+α”のゆとりを生む収納

靴だけでなく、アウトドア用品やベビーカー、部活動の道具など、外で使うものをまとめて収納できるのがシューズインクローゼットの強みです。玄関横に設けることが多く、扉付きにすれば中を見せずに済み、生活感を隠しながらすっきりとした玄関を保てます。

土間仕様にすれば、多少汚れていても気兼ねなく出し入れできるため、キャンプ用品や園芸道具の収納にもぴったり。自転車やゴルフバッグのように、外と内をつなぐ位置に置きたい物が多い家庭では、とても重宝します。

また、帰宅後すぐに手洗い・うがいができるよう、SICの動線上に洗面所を設けるプランも人気です。汚れを家の中に持ち込まない「衛生的な生活動線」を意識することで、日常の快適さがぐんと高まります。

ファミリークローゼット(ファミクロ)―家族全員の「しまう・取り出す」をひとまとめに

近年急速に注目を集めているのが、家族全員分の衣類や日用品をひとつにまとめて管理できる「ファミリークローゼット」です。1階のリビングや洗面脱衣室の近くに設けるのが一般的で、“使った場所のすぐそばにしまえる”という合理的な収納動線が最大の魅力です。

たとえば、洗濯→乾燥→収納という一連の家事を、すべて1階で完結できるように設計すれば、階段の上り下りも減り、家事負担を大きく軽減できます。子どもが自分で服を取り出し、片付ける習慣をつけるのにも効果的です。

家族それぞれのスペースを区切って収納すれば、管理も簡単。衣替えも一か所で済み、収納場所を探す手間もありません。共働き家庭や育児中の家庭にとって、時短と効率化を両立する強力な味方となります。


暮らしを“整える”収納へ

収納は、「しまう」だけでなく、「使いやすく・取り出しやすい」ことが大切です。WICやSIC、ファミクロは、それぞれの役割を理解し、生活動線に合わせて設計することで、暮らしのストレスを減らし、毎日をもっと快適にしてくれます。

家づくりは一度きり。見た目や広さだけでなく、収納という“裏の主役”にしっかりと目を向けて、理想の暮らしを叶えていきましょう。