「え、不動産を買っても登記しなくていいの?」登記の本当の意味、知ってますか?
目次
不動産を買ったら、必ず登記をしないといけない?
実はこれ、法律上の「義務」ではありません。
ちょっと意外かもしれませんが、登記をしなくても、土地や建物の所有権そのものはきちんと移転します。
では、なぜほとんどの人が登記をするのか?
それは、不動産の登記には「対抗要件」という極めて重要な役割があるからです。
「対抗要件」ってなに?
簡単にいえば、第三者に対して「この不動産は自分のものだ」と主張できる権利の根拠が登記です。
例えば、こんなケースを想像してください。
▪️登記をしていなかったばかりに…
AさんがBさんに土地を売りました(登記はまだ)。
ところがAさんがその後、同じ土地をCさんにも売ってしまい、Cさんが先に登記を済ませてしまったら?
→ このとき、登記をしていないBさんは、Cさんに「それ、自分の土地だよ」と主張することができません。
そう、登記がなければ、たとえ先に買っていても「所有者」とは見なされないのです。
これが「登記=対抗要件」の意味。
登記は“保険”のようなもの
登記をしておけば、たとえ他に主張してくる人が現れても、自分の権利を法的に守ることができます。
つまり、登記は不動産取引におけるリスクヘッジであり、自分の権利を守る「盾」なのです。
実際、銀行で住宅ローンを組むと、登記は必須になります。
なぜなら、銀行側も「本当に担保として使えるか」を確認するために、登記が必要不可欠だからです。
ただし「義務」になるケースもある
登記が義務でないとはいえ、2024年4月からは一部で例外が生まれました。
それが「相続登記の義務化」です。
相続によって不動産を取得した場合、**3年以内に登記しないと過料(最大10万円)**の対象になります。
これは、相続放置による“所有者不明土地”が社会問題になったことを受けた制度改正です。
おわりに:登記は“しなくていい”けど、“しないと危ない”
不動産登記は、義務ではありません。
でも、それは「やらなくてもいい」という意味ではありません。
「自分の権利を守るために必要」な手続きです!
物件引渡し時に、司法書士に登記を依頼する作業が当然のように行われるので、なかなか登記をしないケースは少ないですが、「登記=ただの事務作業」だと思わずに、その意味を改めて知ると、なんだか楽しいですね♪