不動産営業マン家を買うVol.6 ‐意外と出てくる新物件(コロナ禍の中で)編

このブログは、不動産営業マンが、不動産購入から引っ越しまでを綴るブログとなっています。

今回のお話では、主人公の”するお”が直面した【コロナ禍における、さいたま市内の不動産市場の異常な状況】を知る事ができます。

(やっぱり全体の総戸数が多いと新物件が出やすいなぁ・・)

あの忌まわしき回答から1ヶ月ほど経ったある日、するおは日課の新物件確認をしていた。

地場の不動産会社から売りに出る物件は、総戸数の少ない物件より、するおが検討している公団マンションの方が遥かに売りに出る頻度が高かった。

その中で、興味を持った物件の在庫確認を業者へ入れて見学の段取りを取るのですが、問い合わせる物件の大半が、「申し込みあり」や「契約予定」。

レインズに登録された日に問い合わせして、既に契約予定とはこれいかに・・・

詳細を確認してみようと、物件担当者に繋いでもらって確認する。

するお「買主ってエンドですか?」

※エンド・・・一般のお客様の事

地場業者営業マン「業者です!」

※業者・・・物件を買取り、リフォームをし再販売する業者

するお「満額で買うので、ひっくり返らないですかね?」

※買取業者は売りに出ている価格より極力安く買いたいので、するおは、値段交渉が入っていると思いこのような質問をしてます。

地場業者営業マン「満額で申し込み入ってますよ」

するお「・・・・そうなんですね。了解です。ありがとうございました」

「ガチャ」

するお(やっぱり、そういうことか・・・)

数日前、するおは買取業者の知り合いにある事を聞いていた。

買取業者「コロナでも不動産すごい動いていて、買取れる物件が全然ないんですよ。だからエンド価格でもこの時期なら買うしかないんですよね~。利ノ邊さんも何か情報あったら教えて下さいよ!買い取りますよ?」

するお「そうなんですね~。ありがとうございます。買取案件あれば声掛けますね~」

買取業者は、物件仕入れ→利益を乗せて販売 という極々当たり前のフローで会社が廻っています。

つまり、仕入れ(買取り)が出来ない=販売物件がなくなる(売る商品がない)事を意味します。

ですから、とにかく動きを止めることなく・・・

そう・・・

マグロの様に・・・

常に買取りをしなければならないのです。

たとえ一般のお客さんと同じ相場価格だとしても・・

2020年後半から2021年現在まで、さいたま市を中心としたエリア内ではプチバブルが起こっており、売主様にとっては、高値で売れるような状況です。

おそらく結構広い範囲(千葉や、神奈川、東京も)で、同じような状況だとは思いますが、いかんせん細かく状況を確認したわけではないので、するおが把握している状況です。

するおが家探しをしている時、まさに不動産市場はちょっとおかしな事になっていたんです。

買い手にとって、こんな不利な状況で家探しをするなんてプロとしてどうなんだ・・・っと。

そんな不安な中、新情報がレインズに登録されたことをキャッチしたするお。

広さ、値段、間取りを図面で確認

購入申込書に満額でサイン

そして・・・

FAX

これがプロの買い方。

クールを装いつつ内心はコレ!

すかさず先方に電話をし、契約日の設定。その契約日までの間に1度室内の見学を段どる。

大事なので もう1度言います。

これが、プロ。

【1番手】

【満額】

文句なしの条件です。

物件担当「見学してもいないのに、売主様へ買付けなんて渡せませんよ~」

※買付け(かいつけ)・・・買付け申込書の事。購入申込書とも言う

するお「へっ?」

物件担当「買取業者含め、数組が見学したいと打診してきているので、日程を決めてその日にご見学下さい。公平性を保つために申込書は出された順では無く、売主様へ全て出したうえで売主様に選んで頂きます。」

するお「はっ?」

こんな事が起きるなんて寝耳に水。

物件担当の会社に、以前勤めていた知り合いのAさんに連絡をし、今回の状況の探りを入れてもらうと不動産業界の黒い部分が見えてきました。

状況はこうです。

買取業者が申し込みをする前提で少し値段交渉を打診

しかし、するおが1番手で申し込み

物件担当は買取業者を優先させたい。⇦ なぜなら、買取業者は、業者だけれども【買主】です。つまり仲介手数料を物件担当の会社へ支払います。物件担当業者は、売主・買主双方から手数料が入り、営業マンの懐も温かくなるんです。するおも買主ですが、自分の働く会社が連れてきた買主(仲介)という立場で申し込みをしているので、先方へは手数料は払いません。

ですから、担当営業は するおに、もっともらしい理由で、申し込みが重なった場合は売主様に選んでもらうと言ったわけです。そういう事にしておけば、するおが何か訴えても「売主様が決めた事ですから・・・」とシラを切れる訳です。

結局、見学後に「売主様は買取業者を選びました」と報告が来ました。こんな事は通常はありえない事なんです。

するおの家探しは、やはり長く険しい・・・

次回 Vol.7 ‐売主と買主と手付金 編-  お楽しみに!コチラから読めます。

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